1971年の正月僕は信州妙高高原の新赤倉に出来たばかりの小さなロッジ、ヴィラ赤倉にいた。
乗り合わせたスキーバスが男だけだったという、普通ありえないことがその根本の原因であった。
それがなければ、民宿がゲレンデからとおいとか、お茶の出てくるのが遅いとか、部屋が粗末なたこ部屋みたいだとかはキャンセルの理由になんかならなかった。
ただ単純に女性が乗っていなかったということが僕達のなりふりかまわない行動に発展していったといえる。
僕達は人生をいろいろな夢を語って立ち向かっていくのだが、異性を抜きにしてはなりたたない。
そしてその上で人が好きでなければ夢に向かう力も半減してしまう。
そのことをありのまま受け入れることが出来るようすべてを拾って旅をしたい。
このたびの初めに男だけであったということだけが原因で、とんでもない旅となりそれからの夢のような10年間が開かれていったといえる。
人生は不思議が一杯で素敵だ。はははは。
ヴィラ赤倉のママには息子のように可愛がられていった。
ママが体力が続かなくなってきて、格安で譲るから後を続けて欲しいと頼まれたのだけど、そのとき僕はやっと起業していて極限状態のなかで戦っていたときであったので、今は東京の人に渡りロッジそのものは存続されている。
僕が少しお金持ちだったら、みんなをつれてロッジで遊べただろうになあ。
アイチャンにはその年僕は会社をやめセールスにチャレンジしていてしばらく連絡もしていなかったのだがその年のクリスマス、サンケイ会館でパーティーを企画し、僕達バンドが始めてメインで演奏することになってアイチャンを思い出し、連絡をとった、有名病院だったのですぐに連絡は取れ、彼女は快く来てくれた。
僕はそのとききっとだれかと二人で来るんだろうと思っていたけどやってきたのはアイチャン一人だった。
パーティー主催代表だった僕はエスコートすることもかなわず、さびしい思いをさせてしまったんだろうなあとこの記事を書いていて気がついた。アイチャンとはそのとき限りであったけど、いいおばさんになっているんだろうね。
ひゅんひゅんひゅん
夜は窓辺・・・しんしんと雪が降る・・・・・
暖炉の火がゆらゆらとゆれ僕達二人を照らす
「お父さんの車はねえ、ベンツ。。でも大きいからって私は乗せてもらえないの!だから私の車はねカローラ!」
「へーーそうなんだ・・はははは」
「お金持ちい!ぼくなんかオープンカー・・自転車ともいう。。はははは」
「きゃははは」
「また会える?」
「うん、会いたいな・・でも貧乏だから、焼き鳥屋台ぐらいしかつれていけないけど・・はははは」
「いいで、一回そんなとこ行って見たいきゃははは」
「僕はこの春会社をやめるつもり、なんかまだ、なにをするかも決めてないんやけど今はっきりと決めたことがある。」
「えーーなになに?」
「うん一杯いろんなことやって自分を鍛えて、きっと会社を起こす、別にお金持ちになるとかそういうことではないねんで、一回しかない人生やから目一杯がんばってみるしかないってわかってん、アイチャンやママとかアオチャンとかかずちゃんとかみんながんばってるしぼくもなんか出来る自信が出来たで」
「えーーつすごい・・応援する・・」
「いつか、大阪に上町ヒルズとかいうビルが建ってその最上階の事務所に階段で3段とびで駆け上って行く男に出会ったらそれは僕や・・・そのときアイチャンが一人やったら声をかけてな、フランス料理でも食べにいこうよ、それともイタリア料理がいい?はははは」
「きゃははは・・楽しみにしてるから・・きゃはははは」
しんしんと降る雪を眺めながら彼女はぽろぽろと大粒の涙を流した。
「なんかわけわからん、きゃははは、なんか涙がでてくるねん・・きゃははは意味不明・・・きゃははは」
暖炉の火がひときわゆれて輝き・・・僕の手のひらに涙が落ちた・・・・・
あーー夜よそのまま・・・・・
ひゅんひゅんひゅん
「オーダーハイリマース
カニクリーム、コマツナとベーコン、カルボナーラ、オールワン、ミートソース、ツーでーす」
「はーいい!」
~雪国のメランコリー外伝 ~超時空編完~
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